最近、編み物をしているとき、手の乾燥が気になるようになりました。
それも、コットン毛糸を使っているときに限って。
決して毛糸の値段に関係しているわけではなく、
どんなコットン毛糸でも、編んでいるとだんだん手がカサついてくるんです。
でも──コットンって、天然素材で「肌にやさしい」イメージがありますよね。
なのに、どうして?
ふと、そんな疑問がよぎりました。
そこで、今回は コットン毛糸で手がカサつく理由を ちょっと徹底的に追及してみます🧵
公定水分率から見る、繊維の“うるおい体質”とは?
さて、突然ですが──
みなさんは「公定水分率(こうていすいぶんりつ)」という言葉を聞いたことがありますか?
少し専門的な言葉に聞こえますが、実は繊維業界ではよく使われる、基本的な指標なのだそうです。
これは、繊維が【温度20℃・湿度65%】という標準環境で、どれくらい水分を含んでいるかを示すもの。
調べてみると、コットンはアクリルよりも水分をよく含む素材だと判明しました。

(参照)公定水分率について ▶ 日本化学繊維協会
これは繊維の“うるおい体質”を数値で示す指標なんです。
コットンがアクリルよりも水分をよく含む、という事実は、この「公定水分率」の数値からも見えてきます。だからこそ、コットン素材の洋服は吸湿性が高く、汗をしっかり吸ってくれることで重宝されているんですね。
でも、ちょっと不思議なことも。
たとえば、**シルクの代替素材として知られる「レーヨン」**は、公定水分率がコットンよりも高いとされているんです。レーヨンって、高級感のある見た目で、肌ざわりもとてもなめらか。
むしろ「乾燥とは無縁」のような印象ですよね。
つまり、吸湿性が高いからといって、必ずしも“手が乾燥しやすくなる”わけではない、
ということなのかもしれません。
吸湿性と手の乾燥、その関係を解くカギ──「吸着のヒステリシス」
まず、「収着(しゅうちゃく)」という言葉について。
これは、気体や液体が、ある物質の表面にくっついたり、中に染みこんだりする現象のことをいいます。
つまり、“水分を吸い込む&くっつける”イメージですね。
そして、もうひとつ聞きなれない言葉が「ヒステリシス」。
こちらは、今の状態が“過去に受けた影響”によっても左右されることを指します。
少し難しい言い回しですが、たとえば「一度吸った水分を、なかなか手放さない」といった性質を説明するときに使われます。
「収着のヒステリシス」──
実はこの性質、繊維と水分の関係においてはまだ研究が進行中の分野で、
完全に解明されているわけではないようです。
収着のヒステリシスについて ▶ 「水と繊維」大阪女子学園短期大学/平松峻
なので、ここからはあくまで私の仮説ですが……
この考え方を繊維に当てはめてみると、
コットンは「水分をたくさん吸うけれど、なかなか手放してくれない」性質があるのかもしれません。
この**“手放しにくさ”**こそが、
編んでいるときに感じる“手の乾燥感”に、関係しているのでは?──と私は思いました🫧
もちろん、これは私なりの仮説であり、正確な科学的結論とは少し異なるかもしれません。
私は、ただ編み物が好きで、ほんの興味本位で調べてみただけなので……
もし、どこか解釈にズレがあったらごめんなさい🙏
でも、こんなふうに毛糸の世界のちょっと不思議な一面を、「おもしろいな〜」って感じてもらえたら、とても嬉しいです☺️
まとめ
繊維って、自分のイメージと実際の性質がちょっと違うことも多くて、調べてみると「へぇ〜!」って発見がたくさんあります。
今回のコットン毛糸の乾燥問題も、ただ“肌にやさしい”だけじゃない一面が見えてきて、編み物の奥深さをあらためて感じました。
編み物を通して、繊維のことを少しだけ違う視点から見てみる──
そんな時間も、なかなかおもしろいなぁと思います。


